横浜への観光客数は3,420万人!横浜市の観光統計についてご紹介します
横浜市にはいったいどれくらいの人が観光に訪れているのでしょうか?
横浜市の観光に関する調査・統計データとして、2018年(1月〜12月)の横浜市への観光集客実人員と観光消費額が文化観光局からこちらの資料のとおり発表になっていますので、ご紹介します。
2018年の観光集客実人員および観光消費額
2018年の横浜市への観光客数と観光消費額は、宿泊と日帰り別に以下の表のとおりとなっています。
観光客数
区分 | 2018年 | 2017年 | 増減 | 増減率 |
---|---|---|---|---|
宿泊 | 524 万人 | 462 万人 | 62 万人 | 13.5% |
日帰り | 2,896 万人 | 3,169 万人 | △273 万人 | △8.6% |
合計 | 3,420 万人 | 3,631 万人 | △211 万人 | △5.8% |
観光消費額
区分 | 2018年 | 2017年 | 増減 | 増減率 |
---|---|---|---|---|
宿泊 | 1,350 億円 | 1,567 億円 | △217 億円 | △13.9% |
日帰り | 2,283 億円 | 1,991 億円 | 292億円 | 14.7% |
合計 | 3,633 億円 | 3,557 億円 | 75 億円 | 2.1% |
観光客数について、1年間の総人数ではイメージがわかないですが、単純に365で割って1日あたりの人数を出すと、宿泊客:1.4万人、日帰り客:7.9万人、合計:9.4万人になります。
前年の数値と比較してみましょう。
- 観光客数は、宿泊客が62万人増加、日帰り客が273万人減少で合計は211万人減少です。
- 観光消費額は、宿泊客が217億円減少、日帰り客が292億円増加で合計は75億円増加です。
観光消費額については不思議な動きをしていますね。自然に考えると観光客数と連動した動きになるはずですが、宿泊客数が増加しているのに宿泊客の消費額は減少。一方、日帰り客数が減少しているのに日帰り客の消費額は増加しています。
これは後述するとおり、観光消費額の算出に使用する『平均消費額』が大きく変動しているためのように思いますが、なぜこのような動きをしたのか、分析がほしいところです。
どのように算出しているのか?
いったいどのようにして観光客数と観光消費額を算出しているのか、気になりますね。資料にも詳しく記載はありますが、簡単にご紹介すると以下のとおりです。
観光客数の算出方法
観光客数(宿泊客)
宿泊施設の利用者延べ数(734万人)÷ 平均宿泊数(1.4泊)≒524万人
観光客数(日帰り客)
{ 観光地点立寄り延べ数(7,417万人)− 観光客数(宿泊客)(524万人)× 宿泊客観光地点平均立寄り箇所数(3.1箇所)}÷ 日帰り客観光地点平均立寄り箇所数(2.0箇所)≒2,896万人
宿泊客については、シンプルに宿泊施設(横浜市内のホテル・旅館105施設)の延べ利用者を平均宿泊数で割っただけですね。宿泊施設には当然述べ利用者の情報がありますので、それを利用できるわけですね。
気になるのは日帰り客の集計方法です。
日帰り客は、若干算式が複雑に見えますが、考え方としては『観光地点立寄り延べ数』を『平均立寄り箇所数』で割っているようです。
『観光地点立寄り延べ数』は、観光入込客数調査により得られた数値が基礎になっているとのことです。横浜市内の観光施設、観光交通機関、観光イベントや公園などを利用した人、訪れた人の人数のようです。
各施設へ調査票を郵送して、これらのデータを集めているようですね。
『平均立寄り箇所数』というのは、横浜市観光動態・消費動向調査より、とのことです。算出方法を確認すると、横浜市内の観光施設での、対面での聞き取りによるアンケート調査をもとにしているようですね。
今回の調査の根拠にしている2018年度の資料は、2019年6月時点では何故かまだ公表されていないようです。
観光入込客統計(かんこういりこみきゃくとうけい)とは?
『観光入込客数調査』というのは、観光庁が策定した共通基準によって観光客を調査したものです。こちらの観光庁のサイトに詳しい説明があります。
観光入込客統計は、2009年に導入されたもので、それ以前は各都道府県の発表するデータの調査手法が異なっていたため、他の都道府県とのデータの比較ができませんでした。
観光消費額の算出方法
続いて観光消費額の算出方法です。観光消費額は以下のとおり、上で算出した宿泊客、日帰り客ごとに、それぞれ観光客数に平均消費額をかけることで算出していますね。『平均消費額』も先ほどと同じ観光動態・消費動向調査が根拠になっています。
観光消費額(宿泊客)
観光客数(宿泊客)524万人× 平均消費額(宿泊)25,750円 ≒ 1,350億円
観光消費額(日帰り客)
観光客数(日帰り客)2,896万人×平均消費額(日帰り)7,882円 ≒ 2,283億円
平均消費額が大きく変動している要因は?
観光消費額の算出の根拠となっている『平均消費額』の2018年と2017年の数値は以下の通りでした。
- 2018年は宿泊客:25,750円、日帰り客:7,882円
- 2017年は宿泊客:33,896円、日帰り客:6,282円
この1年でなんと宿泊客の消費額が3万4千円から2万6千円に25%程度も減少しています!消費額を算出するための重要な元数値なのですが、これが『25%も減少』というのは減少幅が大きすぎではないでしょうか?
それにしても、理由がよく分からないです。仮に平均宿泊数が減れば消費額も減るかと思いましたが、平均宿泊数は1.3泊から1.4泊に増えているようですので、減少する要因とは逆ですね。
逆に日帰り客の消費額は25%程増加していますね。こちらも謎です。
サンプル数が少ないからブレてしまっているのでしょうか?それとも何か合理的な増減の理由が考えられるのか?分析のコメントでも記載してほしいものです。
過去の観光客数(観光集客実人員)の推移
2010年からの観光客数の推移は以下のとおりです。
2015年をピークにしてここ数年は若干下がってきてはいるものの3,000万人台をキープしていますので、2012年以前の2,000万人台のときと比べると、高水準を維持していると言えるのではないでしょうか。
- 2010年:2,619万人
- 2011年:2,229万人
- 2012年:2,481万人
- 2013年:3,134万人
- 2014年:3,452万人
- 2015年:3,761万人
- 2016年:3,614万人
- 2017年:3,631万人
- 2018年:3,420万人
まとめ
横浜市の観光統計のうちの観光客数や観光消費額のデータについてご紹介しました。算出の根拠にしている元データの増減の理由についての分析などがもう少しほしいかなと感じました。
横浜市としては、このような調査を毎年実施し、観光産業の振興を図るための分析、施策立案のための基礎資料としているようですので今後も注目してみていきたいと思います。
なお、横浜市文化観光局の取り組みについては『【あうたびに、あたらしい】横浜市文化観光局のブランドイメージ向上に向けた2019年度の取り組みについて』の記事でもご紹介していますのであわせてご確認ください。