日本人のクルーズ人口の推移は?気になる海域・エリア別や泊数別の乗客数もご紹介します!
2018年の日本人のクルーズ人口が32.1万人と、過去最多を更新しました。国土交通省から発表になっている日本人のクルーズ人口についての興味深い様々なデータをご紹介します。
日本人のクルーズ人口
2018年の日本人のクルーズ人口について国土交通省がこちらのプレスリリースのとおり発表しています。
外航クルーズ人口が21.5万人、国内クルーズ人口が10.6万人となり合計は32.1万人と過去最多を記録しました。
- クルーズ人口とは:船内1泊以上の外航クルーズまたは国内クルーズを利用した乗客数の合計のこと
- 外航クルーズとは:乗船地、下船地または寄港地のいずれかに海外が含まれるクルーズのこと
- 国内クルーズとは:乗船地、下船地および寄港地の全てが日本国内であるクルーズのこと
過去のクルーズ人口の推移について
プレスリリースのこちらの資料に過去のクルーズ人口の推移のデータが詳しく紹介されています。なんと1989年から、過去30年間のデータが並んでいます。
外航クルーズについて、1989年は5.8万人だったのが、2018年は21.5万人と30年間で4倍近くに増加しています。外航クルーズはさらに『日本船社のクルーズ船』と『外国船社のクルーズ船』にデータが分かれています。内訳をみると、外国船社の方がこの30年間で2.2万人から20.6万人とかなり大幅な増加となっていますね。
外国船社の外航クルーズのここ数年の推移は以下のとおりです。
- 2010年:8.7万人
- 2011年:8.7万人
- 2012年:10.1万人
- 2013年:12.3万人
- 2014年:12.7万人
- 2015年:12.4万人
- 2016年:14.4万人
- 2017年:18.8万人
- 2018年:20.6万人
一方、国内クルーズについては、30年前も今も10万人程度で大きな変動はないようです。どちらかというと1990年代の頃に15万人程度の年もあり、少し国内クルーズブームがあったようにも読み取れますね。
泊数別乗客数・シェア(外航クルーズ)について
外航クルーズを利用する日本人乗客が何泊の日程でクルーズ船を利用したのかが分かる『泊数別の乗客数』のデータも紹介されています。
2018年のシェアは以下のとおりとなっています。平均泊数は7.8泊です。
- 1泊:12.9%
- 2泊:0.6%
- 3〜4泊:15.5%
- 5〜7泊:36.4%
- 8〜13泊:30.8%
- 14泊〜:3.9%
こちらの泊数別のデータは、10年ほど前の2008年のデータから並んでいます。グラフをみると2008年や2009年は2泊以下が半分程度を占めており、5泊以上のクルーズはほとんどなかったことが分かります。2010年あたりから傾向が急に変わってきて、クルーズ旅行の長期化が進んでいるようです。
2016年から2018年の動きをみても、8〜13泊というかなり長期のクルーズのシェアが19.5%から30.8%に拡大していますね。
個人的には特に大型のクルーズ船の場合、充実した船内施設をじっくり体験したいため、一週間以上は滞在してゆっくりクルーズを楽しみたいなと感じています!
泊数別乗客数・シェア(国内クルーズ)について
国内クルーズについても同様に、泊数別のデータがありますので簡単にご紹介します。
2018年のシェアは以下のとおりとなっています。
- 1泊:26.3%
- 2泊:31.0%
- 3〜4泊:27.0%
- 5〜7泊:12.2%
- 8〜10泊:2.8%
- 11泊〜:0.7%
平均泊数は2.7泊となっており、外航クルーズと比べるとさすがに短期のクルーズが多いですね。こちらも2008年からの推移を眺めると、5泊以上の比較的長期のクルーズが若干シェアを伸ばしてきているようです。
エリア別乗客数・シェアについて
続いて、外航クルーズのエリア別・海域別シェア(各クルーズ旅行の主な運行地域により区分し、集計した乗客数の割合)をご紹介します。
2018年のエリア別シェアは以下のとおりとなっています。
- 地中海(エーゲ海、黒海):11.1%
- 欧州(地中海除く):14.7%
- アジア:60.2%
- 北米(アラスカ除く):0.4%
- カリブ海:2.2%
- オセアニア、ミクロネシア:1.4%
- アラスカ:0.8%
- 世界一周:1.5%
- リバークルーズ:4.7%
- その他:2.9%
こちらもエリア別のシェアや乗客数のデータが2008年からありますので、過去からの推移をみて気になった点を挙げてみます。ここ数年でアジアの乗客数が急激に拡大している。
- 地中海や欧州は、アジアの乗客数の拡大に伴いシェアは落としてはいるものの、乗客数自体は10年ほどの間大きな増減はなく安定している。
- リバークルーズが2017年、2018年と増加傾向にあり、5%程度のシェアを占めている。
- 近年のシェアはアジアが圧倒的に多数を占めていますね。アジアはやはり近場ということで気軽に行けるという魅力が大きく、人気があるのでしょうか。
豪華客船による優雅なクルーズの旅というと、欧州、地中海のイメージが強いですので、やはり昔から安定した人気が続いているのではないかと思います。
個人的には乗客定員が少なめで街の中心部を停泊し観光を楽しめるリバークルーズも興味があるので、ここ数年のシェアの伸びは気になります。
まとめ
日本人のクルーズ人口の推移や、エリア別シェア、泊数別シェアなどのデータをご紹介しました。クルーズに関するデータは国土交通省から定期的に発表されていますので、今後も興味深いデータがあればご紹介していこうと思います。
今回ご紹介したプレスリリースでも触れられている日本の港湾別寄港回数については『日本の港湾別クルーズ船寄港数ランキング2018!横浜港の順位は?』の記事でご紹介しています。
国土交通省では近年、クルーズ振興の取り組みを進めています。『国土交通省のクルーズ振興・クルーズ船受入環境整備の取り組みについてまとめました!』の記事で詳しくご紹介していますが、今後ますます日本へのクルーズ旅客が増加していくことが期待されています。
また、技術の進歩とともに毎年のように進化していくクルーズ船の新造船情報についても『【クルーズ船・新造船情報】2019年以降に就航予定の大型客船情報をまとめました!』の記事でご紹介していますのであわせてどうぞ!