【自動運転の実現に向けて】日本初・大型バスによる営業運行での実証実験を実施!
自動運転技術による『持続可能なモビリティサービス』の実現を目指して、横浜市、相鉄バス株式会社、群馬大学は『路線バス自動運転プロジェクト』を立ち上げています。
このプロジェクトの一環として、横浜市で開催される『里山ガーデンフェスタ2019 秋』の期間中2019年9月14日(土)〜10月14日(月・祝)まで、大型の路線バスを使用した自動運転の実証実験が行われます。
なお、その後も実証実験は続けられており『【自動運転】路線バスの自動運転プロジェクト!二俣川駅に接続する実証実験を実施』では2021年9月のものをご紹介しています。
路線バスの自動運転プロジェクトについて
今後の動向が気になる路線バスの自動運転プロジェクトですが、以下の点が目的として挙げられています。こちらの横浜市の記者発表資料をもとにご紹介します。
- 持続可能なモビリティサービスの実現
- 郊外部の交通ネットワークの維持
- 労働力不足への対応
群馬大学が自動運転技術の研究、提供をして、相鉄バスが自動運転バスの提供、運行をするという役割のようです。
そして今回の大型バスによる自動運転の営業運行での実証実験は日本初とのことです!
自動運転の実現に向けた国土交通省の取り組みについて
自動運転については、将来的に交通事故の削減、地域公共交通の活性化や国際競争力の強化など大きな効果が期待されているようです。
こちらの国土交通省のサイトに2016年12月に設置された自動運転戦略本部に関する情報(会合で使われた資料や議事内容など)がいろいろと掲載されています。
こちらの国土交通省の資料にも詳しく記載されていますが、自動運転の実現に向けて『自動運転の実現に向けた環境整備』、『自動運転技術の開発・普及促進』、『自動運転の実現に向けた実証実験・社会実装』に関する取り組みが進められています。
自動運転のレベルについて
ひとえに『自動運転』といっても、システムの関与具合によって、例えば以下のようにさまざまな種類があります。
- ドライバーの運転を少しだけシステムがサポートするもの
- 運転操作は基本的にシステムが行うものの緊急時などはドライバーの対応が必要になるもの
- システムがすべての運転操作を行い、ドライバーが完全に不要なもの
具体的には以下のとおり『レベル』が分けられています。こちらの国土交通省の資料の中にも説明がありますので、簡単にご紹介します。
数値が大きいほど自動運転の技術が高くなっていきます。
レベル1
運転支援機能
例:自動ブレーキ、車線維持、クルーズコントロールなど
※クルーズコントロールというのは、アクセルを踏み続けなくても一定の速度を維持する機能のことのようです。
レベル2
特定条件下での自動運転機能(高機能化、レベル1の組み合わせ)
例:高速道路で遅い車を自動で追越し、車線を維持しながら前の車を追走
レベル3
条件付自動運転
システムが全ての運転操作を行うが、システムの介入要求などに対してドライバーが適切に対応する必要あり
レベル4
特定条件下における完全自動運転
特定条件下においてシステムが全ての運転操作を行う
※特定条件下というのは、例えば『高速道路』や『工場構内』、『建設現場』などのように領域を限定するもののようです。
レベル5
完全自動運転
システムが全ての運転操作を行う
レベル2まではドライバーによる監視、レベル3以降はシステムによる監視と記載があります。上記内容をみてもレベル3は『原則システムが全ての運転操作を行う』ということでレベル3以降から急に次元が変わるイメージですね。
今回の路線バス実証実験の概要について
相鉄バスによる自動運転の実証実験の概要は以下のとおりです。こちらの横浜市からの記者発表資料にも詳しく記載がありますのでご確認ください。
開催期間
2019年9月14日(土)〜10月14日(月・祝)の各週金曜日〜月曜日
若干曜日が分かりづらい書き方ですが運行するのは上記期間中の月曜日、金曜日、土曜日、日曜日ということです。
運行時間
10時台〜16時台
1日16往復予定(時速約20キロメートルで走行)
初日の9月14日のみ14時台から運行予定
走行コース(実証実験ルート)
『よこはま動物園(ズーラシア)の正門』と『里山ガーデン正門入口』間
距離は約900メートル
なお、『【フォレストアドベンチャー・よこはま】自然共生型アウトドアパークが横浜にオープン!』の記事でご紹介している『フォレストアドベンチャーよこはま』もこの里山ガーデン内にあります。
運賃
無料
車両
相鉄バス所有の自動運動バス(大型ハイブリッドバス)
定員
各便25名を予定(先着順)
自動運転のレベル
レベル2
※相鉄バスの運転士による安全確保を最優先にした自動運転。安全確保に支障を及ぼすおそれがある場合は、手動運転を実施。
まとめ
自動運転の実現に向けたプロジェクトの一環で実施される、大型バスの自動運転の実証実験についてご紹介しました。
自動運転というとレベル5相当の『システムがすべての運転操作をしてくれてドライバーは何もしなくてもよい』といったものをイメージしてしまいますが、レベル5の自動運転の実現はまだまだ技術的には難しく遠い未来の話のようです。
今回ご紹介した実証実験もレベル2ということで運転士さんが同乗し、いざというときにはサポートできる体制での実験ということのようです。将来的には、路線バスも安全で完全な自動運転が実現できるといいですね。