日本の港湾別クルーズ船寄港数ランキング!横浜港の順位は?
当ブログでは横浜港におけるクルーズ船や客船ターミナルの情報をいくつかお届けしていますが、今回は少し視野を広げて日本におけるクルーズ船の情報をご紹介します。
国土交通省から、日本の港へのクルーズ船の寄港回数や、港湾別の寄港回数の順位が発表になっています。横浜港の順位はどのくらいなのか?気になったので調べてみました!
2019年1月に発表になっている2018年速報値のデータをもとにご紹介します。ご紹介するデータは、国土交通省ホームページ『2018年の訪日クルーズ旅客数とクルーズ船の寄港回数(速報値)』から引用しています。
2018年 クルーズ船の寄港回数は過去最高を記録
2018年のクルーズ船の日本の港への寄港回数は、前年比5.9%増の2,928回(外国船社1,913回、日本船社1,015回)で過去最高を記録しています。
なお、対象のクルーズは船内で1泊以上するもので、日帰りクルーズは対象外です。
過去5年間の推移を見てみましょう。
年 | 寄港回数 | うち日本船 | うち外国船 |
---|---|---|---|
2014年 | 1,204回 | 551回 | 653回 |
2015年 | 1,454回 | 489回 | 965回 |
2016年 | 2,017回 | 574回 | 1,443回 |
2017年 | 2,764回 | 751回 | 2,013回 |
2018年 | 2,928回 | 1,015回 | 1,913回 |
年々増加傾向にあり2014年と比べると、2018年は2倍以上の寄港回数になっています。
日本船、外国船どちらも回数が伸びていますが、特に外国船の回数の伸びが顕著に感じます。
国土交通省では『訪日クルーズ旅客を2020年に500万人』という目標を掲げクルーズ振興に取り組んでいます。近年の急速なクルーズ船寄港回数の伸びも、この取り組みの成果が出ているのでしょうか。
【港湾別ランキング】横浜港は4位!1位は博多港!
続いて港湾別の順位を見てみましょう。
順位 | 港湾名 | 回数 |
---|---|---|
1位 | 博多港 | 279回 |
2位 | 那覇港 | 243回 |
3位 | 長崎港 | 220回 |
4位 | 横浜港 | 168回 |
5位 | 平良港 | 143回 |
横浜港は168回で第4位のようです。2019年3月時点で国土交通省のホームページで公表されているデータをさかのぼって見てみると、2010年~2014年は第1位だったようですね。残念ながら横浜港の順位は下がってきています。
そして第1位は『博多港』です!博多港がある福岡市はここ数年積極的なクルーズ船誘致を進めているようで、2014年あたりから急速にクルーズ船の寄港回数が増えています。博多港は地理的にもアジアから近いため、クルーズが盛んな中国からのクルーズ船も訪れやすく、外国客船の寄港回数を伸ばしているようです。
【日本船】横浜港は2位!1位はベラビスタマリーナ(高級客船『ガンツウ』が利用)!
日本船・外国船別もランキングも発表されています。それぞれ特徴がありますのでご紹介します。
順位 | 港湾名 | 回数 |
---|---|---|
1位 | ベラビスタマリーナ | 122回 |
2位 | 横浜港 | 98回 |
3位 | 神戸港 | 69回 |
4位 | 宮島港 | 62回 |
5位 | 福山港 | 48回 |
まず、日本船のランキングは、『ベラビスタマリーナ』が第1位です!前年は28回だったのが4倍以上の122回と急増しています。
ベラビスタマリーナというのは恥ずかしながら初めて聞いた名前でしたので調べてみました。広島県の尾道市にある港で『せとうちクルーズ』という船会社の客船『ガンツウ』が利用しているようです。
ガンツウは総トン数3,013トン、客室数が19のクルーズ船で、横浜港によく停泊している大型クルーズ船などと比較するとかなり規模は小さい客船です。
詳しくはこちらのホームページをご確認ください。
ガンツウは、瀬戸内海を巡る全室がテラス付きのスイートルームという高級客船です。ホームページをみると、高級旅館のような雰囲気で、かなりリッチな気分が味わえそうですね。
2日~4日間の日程の比較的短めの期間のクルーズを扱っているようです。2019年のクルーズの料金表をみると、日程によって違いはありますが、2日間の日程のクルーズで1番安い『テラススイート』の部屋でも概ね20万円以上するようです!4日間の日程だと60万円以上です・・・
超高級なクルーズの旅、一度は体験してみたいですね。
ランキングに戻って、横浜港は日本船の順位は第2位です!
さかのぼって見てみると2010年~2017年は第1位でした。回数が大幅に減少したわけではなく、上記のベラビスタマリーナの寄港回数が急激に増えたため1位の座を譲って2位になっています。
2018年、横浜港に寄港した日本船は『飛鳥II』、『にっぽん丸』、『ぱしふぃっくびいなす』ですが、どれも総トン数が数万トン規模のクルーズ船です。
ベラビスタマリーナのガンツウとは明らかに規模もコンセプトも違いますので、単純に寄港回数で順位付けをして比較するものではないかもしれませんね。
【外国船】横浜港は8位!上位はなんと九州・沖縄の港が独占!
続いて外国船のランキングです。
順位 | 港湾名 | 回数 |
---|---|---|
1位 | 博多港 | 263回 |
2位 | 那覇港 | 236回 |
3位 | 長崎港 | 215回 |
4位 | 平良港 | 142回 |
5位 | 石垣港 | 105回 |
5位 | 佐世保港 | 105回 |
7位 | 鹿児島港 | 96回 |
8位 | 横浜港 | 70回 |
横浜港は外国船のランキングでは第8位です!
8位というのは正直「思ったより低いな」という印象です。『横浜港の大さん橋国際客船ターミナルへ豪華客船ダイヤモンドプリンセスを見に行ってきました!』の記事でご紹介しているとおり、横浜港はメインターミナルの大さん橋にダイヤモンド・プリンセスをはじめとした外国客船が頻繁に着岸しているイメージがあるためです。
横浜港より上位の港をよくみてみると、なんと全て九州、沖縄地方にある港ですね。
全体のランキングのところでも少し記載しましたが、アジア地域では近年クルーズ市場が急成長しており、中国をはじめとするアジア各国からは距離が近い九州や沖縄の港湾にアクセスしやすいため、クルーズ船が集中して訪れているようです。
外国船のランキングで上位の博多港、那覇港、長崎港などはすべて全体の寄港回数ランキングでも上位に入っていますが、全体の寄港回数のうち9割以上を外国船が占めています。
まとめ
港湾別のクルーズ船寄港数ランキングをみてみましたが、横浜港の順位は思ったより高くないと感じました。ただし、いろいろと記載した通り、他の港の回数が伸びてきたため順位を落としているだけで、決して横浜港のクルーズ船寄港回数が減ってきているわけではありません。
『【横浜港(大さん橋・新港・大黒・本牧・山下ふ頭)】今後のクルーズ船受入や開発計画をまとめました!』の記事でもご紹介しているとおり、横浜市はワールドクラスのクルーズポートの実現に向けて、横浜港にある数多くのふ頭でクルーズ船受入機能の強化に向けた取り組みを進めています。
特に『【横浜港】2019年秋に完成予定の『新港地区客船ターミナル』の情報をまとめました!』の記事のとおり2019年秋にはみなとみらい21新港地区に新たに『新港地区客船ターミナル』も完成予定です!(ハンマーヘッドプロジェクト)
これらの開発が進むことで、今回ご紹介した寄港数ランキングについて今後横浜港の順位も再び上がっていくことが期待できるのではないでしょうか。
もちろん寄港回数は、その回数だけを競うようなものではないかと思いますが、どうしてもランキングの形式で発表されると注目されますよね!
横浜港の順位が上がれば『横浜港=クルーズ』というイメージをもっと国内外に広めることができるのではないかと思います。
また、日本人のクルーズ人口に関する情報を『日本人のクルーズ人口の推移は?気になる海域・エリア別や泊数別の乗客数もご紹介します!』の記事でご紹介していますのであわせてどうぞ!
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